離婚の決意よりも悩んだのは「子どもへの伝え方」でした。
嘘はつきたくない、でも傷つけたくない。
どんな言葉を選べばいいのか、いつ伝えるべきなのか。
毎日考えて、夜も眠れませんでした。
結果的に、僕は子どもに対してシンプルな一言を伝えました。
それが正解だったかは分からないけれど、その後の子どもとの関係を見ていると、間違いではなかったと思っています。
この記事では「僕が子どもにかけた言葉」とその背景、そして子どもの反応について正直にお話しします。
同じように悩んでいる方の参考になれば幸いです。
① 正直、伝えるタイミングにも迷った
離婚を決めても、子どもにいつ言うか決められませんでした。
当時子どもは小学校低学年。まだ幼い年齢だったので、どこまで理解してもらえるか、どう伝えれば傷つけずに済むか、本当に悩みました。
タイミングの迷い
- 早すぎる場合:まだ具体的な手続きも決まっていない段階で伝えると、子どもを無駄に不安にさせてしまう
- 遅すぎる場合:突然「明日から別々に住む」では、子どもが現実を受け入れる時間がない
- 学校行事との兼ね合い:運動会や発表会の前に伝えると、集中できなくなる可能性
- 元妻との調整:一人で勝手に伝えるわけにはいかない
我が家は「離婚届を出す前」に話した理由
最終的に、離婚届を提出する2週間前に伝えることにしました。
理由は以下の通りです:
- 心の準備をしてもらう時間:急すぎず、でも長すぎない期間
- 質問に答える時間:子どもなりに疑問が出てくるはず
- 新しい生活の説明:どこに住むか、学校はどうなるかなど具体的な話ができる
- 両親揃って話せる:まだ一緒に住んでいるうちに、二人で説明したかった
今振り返っても、このタイミングは良かったと思います。
子どもにとって十分な準備期間があり、僕たち親も冷静に説明することができました。
② 元妻が実際に伝えた”ひとこと”と僕の想い
話し合いの結果、子どもには元妻から伝えることになりました。
僕も一緒にいましたが、主に元妻が話をしました。
元妻が子どもに伝えた言葉はこれでした。
「パパとママは一緒に住まないことにした。でも、どっちもあなたのことが大好き」
僕たちが事前に相談して決めた、とてもシンプルな一言でした。
この言葉には僕たち夫婦の想いが込められています。
なぜこの言葉を選んだのか
① 嘘はつかない、でも詳細には触れない
不倫という事実を子どもに伝える必要はないと判断しました。
でも「仲直りする」といった嘘の希望も与えたくありませんでした。
② 子どもの安心を最優先にする
一番大切なのは「あなたは愛されている」ということを伝えることでした。
両親が離れても、子どもへの愛情は変わらないことを強調しました。
③ 責任を感じさせない
「パパとママの問題」であって、「子どもが原因ではない」ことをはっきりさせたかった。
伝える時に心がけたこと
- 落ち着いた環境で:リビングで、テレビも消して、落ち着いて話した
- 両親一緒に:元妻が主に話して、僕も補足する形で
- 感情的にならない:泣いたり怒ったりせず、冷静に話した
- 質問を受け入れる:「なんでも聞いていいよ」と伝えた
小学校低学年という年齢を考慮して、元妻が優しく、ゆっくりと話してくれました。
僕は横にいて、子どもの反応を見守りながら、必要に応じて補足するようにしていました。
「子どもが悪いわけじゃない」を何度も強調
最初の説明の後、何度か「あなたが悪いわけじゃない」「あなたのせいじゃない」と繰り返し伝えました。
子どもは大人が思う以上に「自分のせいかも」と考えてしまうものです。
この点だけは、絶対に誤解させたくありませんでした。
③ 子どもの反応と、その後の変化
子どもの反応は、僕が予想していたものとは少し違いました。
最初の反応:大泣きからの理解
話した直後の子どもの反応は、予想していた通り大泣きでした。
「やだ!やだ!」「一緒にいる!」と泣きながら訴えていました。
小学校低学年の子どもにとって、両親が離れるということは大きなショックだったと思います。
でも、しばらく泣いた後、小さな声で「わかった」と言ってくれました。
まだ完全に理解できているわけではないかもしれませんが、子どもなりに受け入れようとしてくれたのだと思います。
数日後から見えてきた変化
時間が経つにつれて、少しずつ実感が湧いてきたようでした:
- 質問が増えた:「いつから?」「どこに住むの?」「学校は?」
- 甘えが増した:普段より抱っこをせがんだり、一緒にいたがる
- 時々泣く:ふとした瞬間に涙を流すことがあった
- 大人びた発言:「仕方ないよね」「大丈夫だから」といった言葉も
子どもなりに感じていた不安
後から分かったのは、子どもが感じていたのは「寂しさ」よりも「不安」だったということです。
- 「お父さんはもう会えなくなるの?」
- 「お母さんが一人になって大丈夫?」
- 「友達にどう説明すればいいの?」
- 「おじいちゃん、おばあちゃんにも会えなくなる?」
こうした不安に対して、一つ一つ具体的に答えていくことが大切でした。
親としてできること:変わらない愛情を伝え続ける
この時期に僕が最も心がけたのは、「変わらない愛情」を行動で示すことでした。
- いつも通りの接し方:特別扱いしすぎず、普段通りに接する
- 具体的な約束:「月に1回は必ず会う」など具体的な予定を伝える
- 連絡の約束:「いつでも電話していい」と伝える
- 安心できる言葉かけ:「大好き」「大切」を普段より多く伝える
④ 離婚を伝えるときに意識してほしいポイント
僕の体験を踏まえて、これから子どもに離婚を伝える方に参考になりそうなポイントをまとめます。
子どもが「自分のせい」と思わないようにする
これは最も重要なポイントです。
- 「大人の問題」であることを明確にする:「パパとママの考えの違い」など
- 具体例で説明しない:「ケンカばかりしてるから」は子どもが自分を責める原因になる
- 繰り返し伝える:一度だけでなく、何度も「あなたのせいじゃない」と伝える
- 愛情は変わらないことを強調:離婚と子どもへの愛は別物だと伝える
感情ではなく事実と愛情をシンプルに
複雑な事情を全て話す必要はありません。子どもに必要なのは「事実」と「安心」です。
- シンプルな言葉で:難しい説明より、分かりやすい言葉を選ぶ
- 感情的にならない:親が泣いたり怒ったりすると子どもが混乱する
- 希望的観測は避ける:「いつか元に戻るかも」といった曖昧な期待は持たせない
- 愛情を具体的に:「大好き」だけでなく「これからも大切にする」など具体的に
「今後どうなるか」もなるべく具体的に話す
子どもが最も不安に感じるのは「これからどうなるのか分からない」ことです。
- 住む場所:「ママと一緒に今の家にいる」「パパは近くのアパートに住む」
- 学校のこと:「学校は変わらない」「友達ともそのまま」
- 面会のこと:「月に1回は会う」「電話もできる」
- 生活の変化:「何が変わって、何が変わらないか」
年齢別で伝え方を調整することも必要
子どもの年齢によって、理解度や不安の内容が変わります:
- 幼児(3-5歳):「一緒に住まない」「でも愛してる」だけでも十分
- 小学校低学年(6-8歳):シンプルな説明で、感情的な反応も受け入れる準備を
- 小学校高学年(9-12歳):ある程度具体的に、でも複雑な事情は避ける
- 中学生以上(13歳-):より詳しい説明も可能、でも感情的にならないよう注意
- 兄弟がいる場合:年上の子に合わせつつ、年下の子への配慮も必要
一人で抱え込まず、専門家に相談することも大切
子どもへの伝え方に迷ったら、専門家に相談するのも一つの方法です。
カウンセラーや子育ての専門家は、年齢や状況に応じた適切なアドバイスをくれます。
💡 専門家への相談
ココナラなどのプラットフォームでは、子育てや家族関係の専門家がオンラインで相談に乗ってくれます。匿名で相談できるので、デリケートな内容も安心して話せます。
まとめ:伝えるのが怖くても、逃げずに向き合うべき
離婚を子どもに伝えるのは、親として一番つらい場面かもしれません。
「どんな言葉を選んでも、子どもを傷つけてしまうんじゃないか」
「まだ伝えなくてもいいんじゃないか」
そんな風に思って、先延ばしにしたくなる気持ちもよく分かります。
でも、向き合い方で「この先の親子関係」は変わると僕は思います。
逃げずに向き合うことの意味
- 子どもへの誠実さを示せる:隠さずに話すことで信頼関係を築ける
- 子どもの不安を軽減できる:曖昧な状況より、明確な説明の方が安心
- 親としての責任を果たせる:困難な状況でも子どもと向き合う姿勢
- 今後の関係の基盤になる:この時の対応が、将来の親子関係に影響する
僕自身の変化
実際に子どもにあの一言を伝えたことで、僕自身の「親としての覚悟」が決まりました。
「離れて暮らしても、この子の父親であり続ける」
「どんなことがあっても、この子を支え続ける」
そんな気持ちが、より強くなったんです。
これから伝える方へのメッセージ
もしあなたが今、子どもにどう伝えるか悩んでいるとしたら、こんなことを伝えたいです:
- 完璧な言葉はない:どんな言葉でも、愛情が伝われば大丈夫
- 一度で理解してもらえなくてもいい:時間をかけて、何度でも説明すればいい
- 子どもは親が思うより強い:適切に伝えれば、子どもなりに受け入れてくれる
- その後の関わり方の方が大切:一度の説明より、継続的な愛情表現が重要
僕の体験が、これから子どもに離婚を伝える方の参考になれば嬉しいです。
どんな状況でも、子どもにとって最良の選択を考え続けることが、親としてできることなのかもしれません。
一人で悩まず、必要に応じて専門家の力も借りながら、お子さんとしっかり向き合ってください。
きっと、あなたなりの最良の伝え方が見つかるはずです。
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